インドネシア現地法人の運営について

2014年4月

 外国資本がインドネシアで事業を行う場合、原則的な組織形態は株式会社(PT[1])であるが[2]、その多くはいわゆる非公開会社 [3]であると思われる。本項では、株式会社形態のインドネシア現地法人を運営する上で重要と思われる以下の5項目に関連する規律について、非公開会社を前提として検討する。

 1.機関及びその構成員

 2.定款及びその変更

 3.資本金

 4.株式

 5.事業計画、年次報告及び利益処分

 なお、株式会社の設立に関する規律については、弁護士法人マーキュリー・ジェネラルのウェブサイトの国際コンテンツ-インドネシア内の拙稿「インドネシアへの進出形態について」を参照されたい。

  1. 1.機関及びその構成員
  2.  インドネシアの株式会社の必要的機関は、①株主総会、②取締役会、及び③コミサリス会[4](監査役会)であり[5]、それぞれ株主、取締役、コミサリス(監査役)により構成される。以下では、これらの機関とその構成員に関する非公開会社の規律を検討する。

  3. 1-1.株主
  4.  インドネシアの非公開株式会社においては、株主は最低2名必要であり[6]、各株主は、最低1000万ルピアの出資をする必要がある[7]。株主は、原則として、会社が行った行為に個人的責任を負わず、株式の額面額を超えて会社の損失について責任を負担しない [8]

     株主の基本的な権利としては、①株主総会に出席し議決権を行使する権利、②配当及び清算時の会社の残余財産を受け取る権利が規定されている[9]。加えて、一定の株主[10]は、以下の権利を有する。

    • 新株発行時の株式引受権[11]
    • 一定の会社の行為により損害を被った株主の会社提訴権[12]
    • 一定の会社の行為に反対する株主の株式買取請求権[13]

    加えて、10%以上の議決権を保有する株主は、以下の権利を有する。

    • 株主総会招集請求権[14]
    • 株主代表訴訟提起権[15]
    • 会社検査請求権[16]
    • 会社解散提案権[17]
  5. 1-2.株主総会
  6.  株主総会とは、取締役会及びコミサリス会に付与されている権限以外の権限を、会社法及び定款が定める範囲で行使する会社の機関である[18]。株主総会には、年次株主総会と臨時株主総会の2種類がある[19]。前者は会計年度終了後6ヶ月以内に開催することが必要であり[20]、年次報告書が提出されなければならない[21]。後者は必要に応じていつでも開催することが可能である[22]

     株主総会の招集は、開催日の14日前までに行われなければならない[23]。招集方法は、書留郵便又は新聞への公告により行う必要がある[24]。招集権者は、原則として取締役会[25]であるが、議決権の10%以上を有する株主又はコミサリス会は株主総会の開催を要請することができる[26]

     株主総会の開催場所は、定款の定めに従い、会社の本店所在地又は主要な事業を行っている場所[27]であるが、インドネシア国内でなければならない[28]

     電話会議・テレビ会議による株主総会の開催も可能であるが、株主が相互に視認でき、声が聞けて、かつ会議に参加できることが必要であり[29]、この株主総会の議事録は全参加者が承認し署名することが必要である[30]

     株主総会における議決権の行使は、委任状を有する代理人によっても行うことができるが[31]、会社の取締役、コミサリス又は社員は代理人となることはできない[32]。また、議決権の不統一行使は禁止されている[33]

     株主総会の決議は、普通決議・特別決議・特殊決議の3種類である。普通決議の定足数は、議決権の過半数を有する株主の出席[34]であり、決議要件は、出席株主の議決権の過半数の賛成 [35]である。

     特別決議の定足数は、議決権の3分の2以上を有する株主の出席であり、決議要件は、出席株主の議決権の3分の2の賛成である。特別決議を要する決議事項は、以下のとおりである。

    • 株式の買戻し[36]
    • 授権資本の枠を超える増資[37]
    • 減資[38]
    • 定款の変更[39]

    特殊決議の定足数は、議決権の4分の3以上を有する株主の出席であり、決議要件は、出席株主の議決権の4分の3の賛成である[40]。特殊決議を要する決議事項は、以下のとおりである。

    • 会社の合併、経営権の移転を伴う株式取得又は会社の分割[41]
    • 会社の破産[42]
    • 会社の存続期間の延長[43]
    • 会社の解散[44]
    • 50%を超える会社資産の譲渡又は担保提供[45]

     上記の定足数及び決議要件は、定款の定めにより要件を加重することができる。また、実際に招集された株主総会が、上記の定足数を満たさない場合、定足数をより軽減した形で2回目・3回目の株主総会を招集することができる[46]

     また、議決権を有する全株主が書面で同意する場合には、株主総会を開催することなく書面決議が可能である [47]

  7. 1-3.取締役
  8.  取締役は、取締役会の構成員であり[48]、定款でこれと異なる定めがない限り、それぞれが会社を代表して業務執行を行う権限を有する[49]。インドネシアの非公開会社においては、取締役は最低1名必要である[50]

     取締役となるためには、法律行為を行う能力を有する自然人であり、かつ選任の日から遡って過去5年間、以下の3つの事由のいずれにも該当しないことが必要である[51]。①自己破産をしたことがある。②自己が取締役又はコミサリスであった会社が破産し、その破産について責任を有する。③国家財政又は金融分野に損失をもたらして刑事罰を受けた。

     取締役は、株主総会の普通決議によって選任及び解任される[52]。かかる選任・交代・解任については、会社登記簿に記録するために30日以内に法務人権大臣への届出が必要とされており[53]、これを怠った場合、会社登記簿に記録されていない取締役から法務人権大臣に対する書類の提出が受理されなくなる[54]ので注意が必要である。また、任期については会社法上制限はなく、再任も可能である[55]。取締役の地位に関しては、以下の3つの事項を定款で定める必要がある[56]他、選任・交代・解任の手続や任期等を定款で定めることができる。

    1. 1. 取締役の辞任手続
    2. 2. 空席となった取締役の地位の補充の方法
    3. 3. 全取締役が業務執行不能又は停職[57]
      となった場合に会社の業務を執行し会社を代表する権限を有する者

     取締役は、誠実かつ責任をもって会社の業務執行を行う義務があり[58]、これに反して会社に損害を与えた場合には、当該取締役が会社に対して責任を負担する[59]のみならず、原則として取締役全員が連帯責任を負う[60]

     また、取締役の義務違反により会社が破産し、会社財産により債務を完済できない場合、破産宣告前の5年間に取締役であった者は債務の弁済につき連帯責任を負う[61]

  9. 1-4.取締役会
  10.  取締役会は、1名以上の取締役から構成され[62]
    、会社法及び定款に定められた範囲内で会社の経営を行う権限及び裁判所内外において会社を代表する権限を有する[63]。取締役会は、会社経営に関する意思決定に関する一次的な権限と責任を有していることから [64]、会社法上株主総会の決議事項とされているものを除けば、定款に制限がない限り、単独で業務執行のための意思決定が可能である[65]

     取締役会の開催方法・決議要件について、会社法は制限を設けておらず、定款で規定することができる。

     取締役会の職務としては、株主名簿、株主総会及び取締役会議事録並びに年次報告書及び会計帳簿を作成し、これらを会社の本店所在地に保存する義務が規定されている [66]

  11. 1-5.コミサリス
  12.  コミサリスは、コミサリス会の構成員であり[67]、コミサリス会の構成員として会社経営の監督と取締役会への助言の提供を職務とする[68]が、2名以上のコミサリスが存在している場合には、コミサリス会の決議に従って行動する義務があり、個別に職務を行うことが禁止されている[69]。インドネシアの非公開会社においては、コミサリスは最低1名必要である[70]

     コミサリスは、株主総会により選任及び解任される[71]。また、コミサリスの報酬についても、株主総会の決議で定める必要がある[72]

     コミサリスは、会社経営を監督し取締役会に対する助言を誠実かつ責任をもって行う義務があり[73]、これに反して会社に損害を与えた場合には、当該コミサリスが会社に対して責任を負担する[74]のみならず、原則としてコミサリス全員が連帯責任を負う[75]

     また、コミサリスの義務違反により会社が破産し、会社財産により債務を完済できない場合、破産宣告前の5年間にコミサリスであった者は債務の弁済につき連帯責任を負う[76]

  13. 1-6.コミサリス会
  14.  コミサリス会は、会社の経営を監督し、取締役会に対して助言を行う機関である[77]。非公開会社のコミサリス会は、1名以上のコミサリスで構成される[78]

     コミサリス会の主な権限は、以下のとおりである。

    • 定款で定めることにより、取締役会が業務執行として行う特定の法律行為に関して、コミサリス会の承認又は協働を要件とすることができる[79]
    • 定款に規定し又は株主総会で決議をすることにより、コミサリス会は、会社と取締役との間の利益相反が生じた等の特別な状況において特定の期間に限り、取締役会に代わり自ら会社の業務執行を行うことができる[80]
    • 株主総会から権限委譲がされた場合、コミサリス会は、取締役の報酬を決定することができる[81]
    • 一定の理由が認められる場合、コミサリス会は、取締役の業務執行を一時停止することができる[82]

     コミサリス会の職務としては、(1)議事録を作成しその写しを保管すること、(2)個々のコミサリス及びその配偶者及び子の自社及び他社の株式の保有状況を取締役会に対して報告すること、及び(3)前年度のコミサリス会の監督業務に関する報告書を作成し、取締役会に提出することが規定されている[83]

  15. 2.定款及び定款変更
  16.  インドネシアの会社の定款には、以下の(1)~(9)の事項を記載しなければならず[84] 、これら以外の事項については会社法に反しない限り定款に定めることができる[85]

     (1)会社の名称及び本店所在地

     (2)会社の目的及び事業内容

     (3)会社の存続期間

     (4)授権資本、引受資本及び払込資本の額

     (5)株式数、株式の種類(種類ごとの株式数を含む)、株式に付帯する権利、一株の額面価額

     (6)取締役及びコミサリスの職位及び人数

     (7)株主総会の開催場所及び手続

     (8)取締役及びコミサリスの選任、交代及び解任の方法

     (9)利益処分及び配当の手続

     定款を変更するには、株主総会の特別決議が必要である[86]。加えて、以下の事項について定款を変更する場合には、法務人権大臣の承認が必要となり[87]、それ以外の事項の変更については、法務人権大臣への事後の届出で足りる[88]。①会社の名称・本店所在地、②会社の目的・事業内容、③会社の存続期間、④授権資本の増加又は減少、⑤引受資本・払込資本の減少、及び⑥非公開会社を公開会社にする場合又はその逆の場合。定款の変更の効力は、原則として、承認が必要な場合は法務人権大臣から承認書が発行された日に[89]、届出で足りる場合は届出の受理書が発行された日に生ずる[90]

  17. 3.資本金
  18.  インドネシアの株式会社は、授権資本の額[91]を定款に記載しなければならず[92]、少なくともその25%は、設立時に、引受・払込がされなければならない[93]。外国投資企業[94]の場合、最低払込資本金額は、最低25億ルピアとされている[95]。出資の払込は、金銭の形態に加え、現物出資の形態によることもできる [96]

     増資を行う場合、授権資本の範囲内での増資については株主総会の普通決議[97]が、授権資本自体を増加する場合は株主総会の特別決議[98]が必要である。かかる決議の際に、1年間を上限として、具体的な増資の実施の権限をコミサリス会に委譲することができる[99]。増資の際には、既存の株主に対して、その保有割合に応じて新株を割り当てる旨の申し出をする必要があるが[100]、14日以内に当該株主が株式引受権を行使して払込を行わなかった場合には、会社は当該株式を第三者に提供することが可能である[101]

     減資を行う場合、株主総会の特別決議に加え[102]、かかる決議の日から7日以内に新聞を用いて債権者に対し公告をする必要がある[103]

  19. 4.株式
  20.  インドネシアの株式会社の株式は、保有者名を付して[104]、かつ、原則としてインドネシアルピア建ての額面価額を付して発行される[105]。会社は、株主に対して、株式の保有者であることを示す証明書を交付しなければならない[106]

     株主名簿については、取締役会は、株主名・住所、株式の種類と保有株式数、払込金額等を記載した株主名簿を作成・保管しなければならず[107]、加えて、取締役及びコミサリス並びにその配偶者及び子が保有する自社・他社の株式の明細・取得日を記載した特別株主名簿を作成・保管しなければならない[108]。株主が会社法上付与された権利を行使するためには、株主名簿への記載が必要である[109]

     異なる種類の株式を発行するためには、定款にその旨の定めを設けることが必要である[110]

     株式の譲渡については、定款において規定を設けなければならない[111]。株式を譲渡する場合、譲渡証書により行うとともに[112]、かかる譲渡証書の原本又は写しを会社に提出しなければならず[113]、かかる株主変更を株主名簿等に記載し、譲渡日から30日以内に法務人権大臣に届け出なければならない[114]。また、株式に質権又は信託担保権[115]を設定することもでき、この場合にも担保権の設定について株主名簿等に記載する必要がある[116]

     株式の買い戻しについては、以下の二要件を満たす場合に限り[117]、株主総会の特別決議に基づいて行うことができる[118]。①当該買戻しによっても会社の純資産額が払込資本及び法定準備金の合計額を下回らないこと、②買戻株式及び当該会社及びその会社が直接又は間接に株式を保有する会社が保有する質権又は信託担保権が設定された株式の額面額の合計が会社の払込資本の10%を超えないこと。会社は、買い戻された株式を、最長3年間まで保有することができるが[119]、会社は議決権を行使することはできず[120]、配当を受領することもできない [121]

  21. 5.事業計画、年次報告及び利益処分
  22.  取締役会は、次の会計年度の開始前に、年次予算案を含む年次事業計画を作成し[122]、原則として定款の定めに従い株主総会又はコミサリス会の承認を得なければならない[123]

     年次報告書については、会計年度終了後6ヶ月以内に、コミサリス会の監査を経て、全取締役及びコミサリスが署名をし、株主総会招集日以降株主が閲覧できるように会社に備置き、株主総会で承認されなければならない[124]。かかる年次報告書には、貸借対照表・損益計算書等の財務諸表が含まれ[125]、外国投資企業は、上記手続に加え、財務諸表を公認会計士により監査させる必要がある[126]

     会社の純利益については、事業年度において累積黒字を計上している場合には、法定準備金の額が払込資本金額の20%に達するまでは、株主総会の決議に従い、一定額を法定準備金として積み立てなければならない[127]。この残額について、会社が累積黒字であることを条件として、株主総会の決議に基づいて、株主への配当その他の処分を行うことができる [128]。これに加えて、定款で定めがある場合には、会計年度が終了する前に、中間配当を行うことができる[129]。中間配当は、コミサリス会の承認の後、取締役会の決議に基づいて行うことが可能である [130]が、会社の純資産が払込資本額及び法定準備金の合計額を下回らず、かつ会社活動の障害等とならないる場合に限り行うことができる[131]

    以上



    [1]Perseroan Terbatasの略。

    [2]投資に関するインドネシア共和国法律2007年第25号(UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 25 TAHUN 2007 TENTANG PENANAMAN MODAL。以下「投資法」という。)第5条第2項。

    [3]株式会社に関するインドネシア共和国法律2007年第40号(UNDANG-UNDANG REPUBLIK INDONESIA NOMOR 40 TAHUN 2007 TENTANG PERSEROAN TERBATAS。以下「会社法」という。)上の公開会社(Perseroan Terbuka)以外の会社。

    [4]コミサリス会とは、会社経営を監督し、取締役会に対して助言を行う機関である。取締役会による会社の業務全般を監督する職務を行う点で日本の会社法における監査役会に類似するが、一定の場合に自ら会社経営を行う権限及び取締役の業務執行を一時停止する権限を有する等、様々な点で相違があるため、本項では「コミサリス会」(その構成員については「コミサリス」)という用語を用いた。

    [5]会社法第1条第2号。

    [6] 会社法第7条第1項。なお、株主が1名以下になった場合、新株発行等の手段によって、6ヶ月以内に是正される必要がある(会社法第7条第5項)。

    [7]投資許認可及び非許認可のガイドライン及び手続に関する投資調整庁長官規則2013年第5号(最終改正投資調整庁長官規則2013年第12号。PERATURAN KEPALA BADAN KOORDINASI PENANAMAN MODAL REPUBLIK INDONESIA NOMOR 12 TAHUN 2013 TENTANG PERUBAHAN ATAS PERATURAN KEPALA BADAN KOORDINASI PENANAMAN MODAL 5 TAHUN 2013 TETANG PEDOMAN DAN TATA CARA PERIZINAN DAN NONPERIZINAN PENANAMAN MODAL。以下「投資調整庁長官規則」という。)第22条第3項第c号。

    [8]会社法第3条第1項。ただし、以下のいずれかに該当する場合には、例外的に第1項は適用されない(会社法第3条第2項)。

    ・会社が法人としての要件を満たしていない。

    ・株主が自己の利益のために悪意で会社を利用した。

    ・会社の違法行為に株主が関与した。

    ・株主が違法に会社財産を利用して、会社が債務超過に陥った。

    [9]会社法第52条第1項第a号及び第b号。

    [10]①②以外の株主の権利については、種類株主はこれらを行使することはできない(会社法第52条第3項)。

    [11]会社法第43条第1項

    [12]会社法第61条第1項。

    [13]会社法第62条第1項。

    [14]会社法第79条第2項。

    [15]会社法第97条第6項及び第114条第6項。

    [16]会社法第138条第3項第a号。

    [17]会社法第144条第1項。

    [18]会社法第1条第4号及び第75条第1項。

    [19] 会社法第78条第1項。

    [20]会社法第78条第2項。

    [21]会社法第78条第3項。

    [22]会社法第78条第4項。

    [23]会社法第82条第1項。

    [24]会社法第82条第2項。

    [25]会社法第79条第1項。

    [26]会社法第79条第2項。

    [27]会社法第76条第1項。

    [28]会社法第76条第3項。

    [29]会社法第77条第1項。

    [30]会社法第77条第4項。

    [31]会社法第85条第3項。

    [32]会社法第85条第4項。

    [33]会社法第85条第1項。

    [34]会社法第86条第1項。

    [35]会社法第87条第2項。

    [36] 会社法第38条第2項。

    [37]会社法第42条第1項。

    [38] 会社法第44条第1項。

    [39]会社法第88条第1項。

    [40]会社法第89条第1項。

    [41]会社法第127条第1項。

    [42]会社法第89条第1項。

    [43]会社法第89条第1項。

    [44]会社法第144条第2項。

    [45]会社法第102条第5項。

    [46] 会社法第86条第2項~第9項、第88条第2項~第4項及び第89条第2項~第4項。

    [47] 会社法第91条。

    [48] 会社法第92条第3項。

    [49] 会社法第98条第2項。ただし、定款に定めを設けることにより、取締役の代表権に制限を設けることが可能である。

    [50] 会社法第92条第3項。

    [51] 会社法第93条第1項。なお、国籍・居住地について会社法上制限は定められていない。

    [52] 会社法第94条第1項及び第105条第1項。

    [53] 会社法第94条第7項。

    [54] 会社法第94条第8項。

    [55] 会社法第94条第2項。

    [56] 会社法第107条。

    [57] 取締役は、コミサリス会から停職とする旨の書面による通知を受けた場合、一時的に業務を行うことができない(会社法第106条)。

    [58] 会社法第97条第2項。

    [59] 会社法第97条第3項。

    [60] 会社法第97条第4項。ただし、以下の四要件を立証した取締役は、かかる責任を免れる(会社法第97条第5項)。

    (1)当該損害は、当該取締役の義務違反によるものではないこと。

    (2)当該取締役が、誠実にかつ会社の目的に沿って会社の利益のために業務執行をしていたこと。

    (3)当該損害の原因となった業務執行に関し、直接・間接を問わず会社と利益相反関係になかったこと。

    (4)当該損害の発生・継続を防ぐ措置をとったこと。

    [61] 会社法第104条第2項及び第3項。ただし、以下の四要件を立証した取締役は、かかる責任を免れる(会社法第104条第4項)。

    (1)当該破産は、当該取締役の義務違反によるものではないこと。

    (2)当該取締役が、誠実にかつ会社の目的に沿って会社の利益のために業務執行をしていたこと。

    (3)当該破産の原因となった業務執行に関し、直接・間接を問わず会社と利益相反関係になかったこと。

    (4)当該破産を防ぐ措置をとったこと。

    [62] 会社法第92条第3項。

    [63] 会社法第1条第5号、第92条第1項及び第2項並びに第98条第1項。

    [64] 会社法第92条第2項及び第97条第1項。

    [65] 日本の会社法とは異なり、取締役の業務執行を監督する権限は規定されていない。

    [66] 会社法第100条第1項及び第2項。

    [67] 会社法第108条第3項。

    [68] 会社法第114条第2項。

    [69] 会社法第108条第4項。

    [70] 会社法第108条第3項。

    [71] 会社法第111条第1項及び第119条。

    [72] 会社法第113条。

    [73] 会社法第114条第2項。

    [74] 会社法第114条第3項。

    [75] 会社法第114条第4項。ただし、以下の三要件を立証したコミサリスは、かかる責任を免れる(会社法第114条第5項)。

    (1)当該コミサリスが、誠実にかつ会社の目的に沿って会社の利益のために業務執行をしていたこと。

    (2)当該損害の原因となった業務執行に関し、直接・間接を問わず個人的な利益を有していなかったこと。

    (3)当該損害の発生・継続を防ぐ措置をとるように取締役会に助言したこと。

    [76] 会社法第115条第1項及び第2項。ただし、以下の四要件を立証したコミサリスは、かかる責任を免れる(会社法115条第3項)。

    (1)当該破産は、当該コミサリスの義務違反によるものではないこと。

    (2)当該コミサリスが、誠実にかつ会社の目的に沿って会社の利益のために業務執行をしていたこと。

    (3)当該損害の原因となった業務執行に関し、直接・間接を問わず個人的な利益を有していなかったこと。

    (4)取締役会に対して、当該破産を防ぐ措置をとるように助言したこと。

    [77] 会社法第1条第6号及び第108条第1項。

    [78] 会社法第108条第3項。

    [79] 会社法第117条第1項。

    [80] 会社法第118条第1項。

    [81] 会社法第96条第2項。

    [82] 会社法第106条第1項。

    [83] 会社法第116条。

    [84] 会社法第15条第1項。

    [85] 会社法第15条第2項。

    [86] 会社法第19条及び第88条第1項。

    [87] 会社法第21条第1項及び第2項。

    [88] 会社法第21条第3項。

    [89] 会社法第23条第1項。

    [90] 会社法第23条第2項。

    [91] 授権資本の額は、株式の額面価額の合計金額とされている(会社法第31条第1項)。会社法上は、授権資本金の額は、最低5,000万ルピアと定められているが(会社法第32条第1項)、外国投資企業の場合、投資調整庁長官規則第22条第3項第b号により最低払込資本金額が最低25億ルピアと設定されているため、これに対応する資本金の額を定める必要がある。

    [92] 会社法第15項第1項第e号。

    [93] 会社法第32条第1項。

    [94] 外国投資企業には、資本の一部又は全部を外国、外国法人又は外国人が保有するインドネシア法人が含まれる(投資法第1条第8号参照。以下同じ。)。

    [95] 投資調整庁長官規則第22条第3項第b号。

    [96] 会社法第34条第1項。

    [97] 会社法第42条第1項及び第2項。

    [98] 会社法第88条第1項。

    [99] 会社法第41条第2項。

    [100] 会社法第43条第1項。ただし、以下の場合には、例外的に割り当ての申し出をする必要はない(会社法第43条第3項第a~c号)。

    ・従業員に対する新株発行

    ・株主総会の承認を得て発行された株式転換社債等の保有者に対する新株発行

    ・株主総会の承認を得て行われる組織再編のための新株発行

    [101] 会社法第43条第4項。

    [102] 会社法第44条第1項及び第88条第1項。

    [103] 会社法第44条第2項。

    [104] 会社法第48条第1項。

    [105] 会社法第49条第1項及び第2項。

    [106] 会社法第51条。ただし、かかる証明書は、株券を意味しないため、株券を発行しないことも可能である。

    [107] 会社法第50条第1項。

    [108] 会社法第50条第2項。以下、株主名簿及び特別株主名簿を合わせて「株主名簿等」という。

    [109] 会社法第52項第2項。

    [110] 会社法第53条第1項。

    [111] 会社法第55条。

    [112] 会社法第56条第1項。

    [113] 会社法第56条第2項。

    [114] 会社法第56条第3項。

    [115] 信託担保権(Fiducia)とは、信託担保法(1999年第42号)に基づき、債務者が動産等を担保対象物として債権者に担保目的で譲渡し、債権者の委託を受けて当該担保対象物の占有を保持する形式の担保権である。登記が担保設定の要件とされており法的安定性が高いため、インドネシアにおける有力な担保手法の1つとして用いられている。

    [116] 会社法第60条第3項。

    [117] 会社法第37条第1項。

    [118] 会社法第38条第1項及び第2項。

    [119] 会社法第37条第4項。

    [120] 会社法第40条第1項。

    [121] 会社法第40条第2項。

    [122] 会社法第63条第1項及び第2項。

    [123] 会社法第64条第2項、第67条第1項及び第69条第1項。

    [124] 会社法第66条第1項。

    [125] 会社法第66条第2項第a号。

    [126] 会社法第68条第1項及び会社の年次財務諸表の提出に関する商業大臣決定第121/MPP/Kep/2/2002号。

    KEPUTUSAN MENTERI PERINDUSTRIAN DAN PERDAGANGAN REPUBLIK INDONESIA NOMOR : 121/MPP/Kep/2/2002 TENTANG KETENTUAN PENYAMPAIAN LAPORAN KEUANGAN TAHUNAN PERUSAHAAN

    [127] 会社法第70条第1項、第2項及び第3項。なお、積立額については会社法上規定されていない。また、かかる法定準備金は、その額が払込資本金の額の20%に達していない場合は、他の準備金で補填することができない損失の補填以外には使用することができない(会社法第70条第4項)。

    [128] 会社法第71条第1項、第2項及び第3項。

    [129] 会社法第72条第1項。

    [130] 会社法第72条第4項。

    [131] 会社法第72条第2項及び第3項。