シンガポールにおける外資規制

2016年2月1日更新

 ASEAN各国においては、国内事業への外国資本の参入について、外資の出資比率、出資形態の制限や許認可の取得等の制限を包括的に定める一般的な法令が「投資法」等の名称で定められている場合が多い。しかし、シンガポールにおいては、このような外資規制を一般的に定める法令は存在していない。

 ただし、メディア(放送・出版等)、インフラ事業(電力・ガス等)、一定の製造業等の特定の業種においては、それぞれの業界を規制する個別の法令において、外国資本による株式所有の制限や、規制当局からの許認可の事前取得等が事業を開始するための要件として定められている場合がある。このような場合、外国資本はこれらの要件を満たさない限り、原則としてシンガポールにおいて事業を営むことができない。

 例えば、一定の放送事業については、外国資本が会社又はその親会社の株式の49%以上を保有する場合には、当該会社は原則として必要なライセンスを取得・保有することができないものとされている。

 また、内資外資を問わず、スーパーマーケット・薬局・タバコの販売等の一定の小売業、レストラン等の飲食業、製造業、建設業、金融業、不動産業、旅行業、教育事業等を行うにあたっては、それぞれの監督省庁が定める個別の要件を満たした上でライセンスを取得する必要がある。

 したがって、シンガポールへの進出する際や、シンガポールの会社を対象としてM&Aを行う際等、外国資本がシンガポールで事業を実施し又はシンガポールにおける事業に関与するにあたっては、予定している業務を所轄する監督省庁の法令を確認し、必要に応じて当該規制当局と事前の折衝を行い、予定業務を対象とした外資規制の有無、必要な許認可・ライセンスの種類・取得手続・必要書類を事前に把握しておくことが重要である。