既に手垢が着いて久しい言葉ですが、世界は現在変革の真っ只中にあります。現在というよりも、常に変革の時期にあるといっても過言ではありません。例えば、多数の日本企業が安い労働力を求めてアジア諸国に進出しましたが、今やその生産市場が賃金上昇等によって消費力も獲得し、消費市場としても著しく発展しつつあります。
他方、我が国はと言えば、リーマンショック等の後、ただでさえ景気停滞の状況にあったことに加え、平成23年3月11日に東日本大震災が発生し、その後は未だ不安募る福島原発由来の放射性物質、全国に拡がる電力不足問題、復興に伴う増税と消費後退懸念等、問題が山積しています。
我々弁護士業界は、このような激動の世にあっても、世界経済の流れに無頓着で、いかに過去の延長線上で生きるかという保守的思考に陥りがちです。しかし当法人は、生産市場としても、消費市場としても今後収縮していくしかない日本において、そのような思考あるいは行動で、生き残っていくことができるか、必要とされる付加価値の高いサーヴィスを提供できるのかという問題意識を、常にもっています。
当事務所(当法人)は開設以来、ベンチャー企業支援等を出発点に、上場・非上場企業の企業法務をコア分野として顧問先の社数や業種等も拡大して参りましたが、時流に応じて、倒産・事業再生分野、MBOによる上場廃止事案等を含むM&A分野などにおいても経験と実績を蓄積し、専門性の向上にも努めて参りました。
これら日本国内の案件は勿論、近時は渉外案件についても力を入れ、機能拡充を推し進めています。当初は中国法分野を中心と、現地律師事務所とも提携し、日中企業両方に対して法的サーヴィスを提供して参りましたが、平成23年からはインド法分野も強化しており、所属弁護士がインドにおいて会社法等を研究しつつ、現地法律事務所に常駐もしております。また、当法人の有する各種ネットワークを駆使し、シンガポール、マレーシア、タイ等の東南アジア諸国に関する法的サーヴィスも提供しており、今後各国の法律事務所等との本格的提携も推し進める予定です。
これも指摘されて久しいことですが、今後の世界では日米欧の重要性が相対的に低下し、アジア及び中南米の存在感が増していくことになるでしょう。欧州が微妙な状況にある現在、欧州系金融機関のエクスポージャーが多いと言われる中南米等がどうなるかは、若干懐疑的な部分もあるとは思いますが、豊富な若年人口等の存在を考えても、アジア地域の重要性が相対的に高まることは、疑いようがありません。
そして、そのアジア諸国にも飛行機で簡単に移動することができ、コンピューター技術とインターネット網の発達により、スマートフォンやSkype等を使えば、どこでも容易に、極めて低コストでコミュニケーションがとれ、支障なく仕事もできる時代です。今や、世界での競争に曝されているのは、一部のグローバル企業だけでなく、純粋なドメスティックビジネスを除いたすべての企業、さらにいえばすべての労働者一人ひとりでもあるのです。これは、我々弁護士とて例外ではないものと考えております。
にもかかわらず、日本という箱庭の中で、過去の延長線上の思考を維持することの限界は、実は誰もが分かっていることなのではないでしょうか。過去の成功体験は、未来を保証してはくれません。むしろ、それにすがり続けることは、将来への対応の遅れを招き、致命傷にすらなりかねません。
変革の中で生き残り、発展し、幸せを掴むのは誰でしょうか。変革にいち早く対応した者です。我々は、変革にいち早く対応したいと考え、行動されている皆様の強いサポーターであると同時に、我々自身も常に先を見据えて備え、かつ臨機応変に対応し続ける存在でありたいと考えています。(平成24年1月12日更新)